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トモさん Tiki Tourレポート「Arthur’s pass:6時間の激闘」:中


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トモさんのTiki Tourレポート、2回目です。




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南島中央を南北に横たわるサザンアルプスの北端の峠、アーサーズ・パス。
サザンアルプスの中で、最も標高の高い峠(926m)だ。最大勾配は17%。この峠さえ超えれば後は下りだと想定していたのが大誤算だった。詳しく見てみると、確かに下り基調ではあるものの細かなアップダウンが繰り返され、さらに最後の14kmはゴールまで登り返すという難コースだったのだ。
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灯火のない峠道は自分がどこを走っているのか、周りに何があるのか全く分からない。
見えるのはライトに照らされた先20mの狭い世界だけだ。頼るのは、ガーミンGPSが示すピンク色のトラックと、自らの位置を示す青い小さな矢印だけだ。この矢印がピンクに乗っていれば間違いないと自らを励まし、弱気な心を奮い立たせる。
膨大な水量の川が近いのか、断崖から流れ落ちる滝なのか、ごうごうとした濁流の音が氷河に削られた渓谷の闇に響く。眼鏡に張り付いた雨滴で視界が遮られる。暗闇が左右から迫ってくる。前方の地面がふうっと浮き上がってきた。
やばいっ!。ついに妄想が始まりだした。しかし強風雨の中、辺りに止まって寝るところはない。体が冷えないよう漕ぎ続けて進むしかない。
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リア32Tでも最後の3~400mの急坂は手押しだった。アーサーズ峠・最高到達点の到着は23時50分。サイコンの気温表示は0度を下回っていた。予定より2時間遅れだ。しかし本当に長かったのは、その後の41kmだった。
寒さで手の感覚がなくなり、ギアシフトはおろかハンドルを握っている感覚すらなくなった。足裏にかろうじて感じるペダルの触覚とライトに光る路面だけに気持ちを集中させた。先に伸びる暗闇の道壁は永遠に続くかと思われた。
ゴールの641km地点Flock Hillにたどり着いたのは翌日02時23分。ロッジの灯りが見えた時、ふぅ~っと安堵のため息を漏らした。生きて帰れてよかった。Otira からFlock Hillまでの51kmを5時間58分かかった。速度8.5km/hで6時間走りつづけたことになる。
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3日目の朝 DNFを決めた。よく走ってくれたLook566


 装備:Look 566 Ultegra 50x34 11-32T
    Ultegra 6800 ホィールF&R  Continental GP4season 700X25cタイヤ
    Fizik Aliante R3 サドル
    Montbell フロントバック(ウィンドブレーカー、レインウェーアー上、補給食)
    Rixen&Kaul 16l サドルバック
   (着替え一式、修理工具、チューブ2本、タイヤ1本 panaracer ミニフロアポンプ 
    レインウェアー下、レッグウォーマー、レインシューズカバー、雨・冬用グローブ
    ネックウォーマー、SOLエマージェンシーブランケット、薬など)
    Topeak trydryバック(サイコン&ライト用充電バッテリー、電池類、補給食)
    サイコン:Garmin edge800, etrex20, Cateye CC-RD300W ( ルートデータは、edge800とetrex20に)
    フロントライト:Volt1600、Cateye HL-EL540RC  リアライト: Cateye セーフティオートライト TL-AU630x2 
    
Flock Hillのロッジで暖をとり、温かいチキンスープとチーズたっぷりのラザニアを掻き込んだ。美味い!!
落ち着いたところで、運営代表のMr. Craigに明日のDNFを告げた。Cut-off time は6時なのでまだ競技継続は可能だった。“寝たら気持ちも変わる、起きてからもう一度考えろ” とCraigはネチネチのニュージーランド訛りで告げ、にやりと笑った。そして朝6時、もう一度どうするか尋ねられ、躊躇なくDNFを告げた。
アーサーズ峠に挑んだ日本人は3人、Flock Hillにたどり着いたのは2人だけだった。もう一人の海外ブルベの猛者Tさんは峠の寒さで胃をやられ、嘔吐しながらの走りだったが、途中でDNFと知った。そして3日目スタートしたのは、会長inaさん1人だった。そしておよそ24時間後、あの事故に遭い帰らぬ人となった。
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by nambei | 2017-04-01 10:00 | That's cycling!!