全日本選手権自転車競技大会 2018 観戦ツアー(下)

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全日本選手権ロードレース観戦記の続き。誤字さんのレポート、今回はずいぶんと辛口になりました。



新城幸也、別府史之がヨーロッパで活躍し始めてもう10年。ところが跡を襲う若者が一向に出てこない。野球でもサッカーでも、本場でプレーする選手が次々に出ているというのに。何でや?
益田市に向かう車中、こんな話で盛り上がりました。レースを観戦し、関係者に話を聞くことができればヒントがあるのではないか。そんな期待を抱いて会場入りしました。

今回のコースレイアウトは1周14.2km 1周あたりの獲得標高255m。スピードのあるレース展開になるよう工夫されたものだそうです。実際、前日のU23までは、積極的に飛び出す選手が結構いて見応えのあるレースが続きました。特にU23男子は最後まで緊張した展開が続いて面白く、関係者も期待通りだったと話していました。
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ところが肝心のエリート男子は、序盤に30人を超す逃げ集団が出来て以降、有力選手の多いメイン集団の速度が全く上がらない。中盤には8分半も差が開いて、前代未聞のメイン集団足切りも起きうる展開となり、逃げ集団が速度を落とす始末。ラップタイムは25分を超え、女子ジュニアかよ! と思いました。関係者も頭を抱えておりましたね。
話は横道に逸れるけど、日本のファンは優しいねぇ。そんな事態になっても、頑張れ!って応援するんだもん。
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10周目、12周目に逃げ集団から選手が飛び出して、ようやくレースが動き始めると追走を始めたメイン集団はあっという間にバラバラに。大集団で追っても多分間に合わんよな、というタイミングなのに集団がバラけてしまってはとてもレースになりません。私の横でnagi師匠が「前半、サイクリングしてたっぷり足が残っとろうに。何で?」とあきれておりました。救いはタイトルを獲得した山本元喜選手らが終盤に見せたアタック合戦ですかね。

ともあれ、U23、女子ジュニアなど他カテゴリーの元気の良さに比べてエリート男子は、全くの期待外れでした。こんな展開になった理由について、フランス武者修行やアメリカチームの経験がある知人は「200km以上のレースに自信がないから」と推測していました。
全日本選手権の距離は以前は180km程度でしたが、UCI公認レースとなって以来200km超で争われています。今回は213km。200kmを超えるレースは国内では非常に少ないため経験が積めず、長丁場のレースを組み立てる自信がないので、お見合いに終始したのでは? というわけです。UCI公認になって10年ほど経ちますか。未だに慣れないのならば、プロを名乗るにはちょぃとばかり情けない気がします。世界に通用する選手を育てたいという関係者の親心が裏目に出てしまいました。

過度なチームレースが選手の成長を妨げている、と考える人もいます。今回は逃げ集団に若くて元気の良い選手を送り込んでいるから、チームとしては安心だったのかも。スポンサーつきのレースが増え、本来最高峰であるべき「全日本」のタイトルが軽んじられている一面はないでしょうか。
ある有力チームでは、普段の練習は個人に任され、チームとして集団で走るのは合宿の時ぐらいとか。経済的な理由、指導者不足などで系統立った選手育成がままならないのでしょうか。国内トップレベルの選手にとっては、ヨーロッパに出て行くのは経済的リスクが大きい(から出て行かない)と指摘する声もあります。

**まとめとして**
日本におけるロードレースは、実は大変に歴史が古く明治中頃には自転車クラブがあってレースを行っています。いわゆる自転車競技連盟も戦前に発足していますし、戦後の復興期には新聞社主催のロードレースなども盛んでしたが、交通事情の悪化に伴って廃れてしまったという経緯があります。
環境と健康志向の高まりでスポーツとしての自転車が注目を集めている今、大半の関係者が現状に危機感を抱き、普及振興、選手育成を真剣に考えていることが今回、よく理解できました。
努力がいつか実を結び、たくさんの日本選手が本場で活躍する時代が来ることを期待しています。

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by nambei | 2018-06-28 10:00 | イベント

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